kajikajiの雑感

思ったり感じたこと、その根拠をなるべくまとめたい

日本会議のこと

lite-ra.com記事抜粋・再編集
杉原千畝(1900〜1986)は第二次世界大戦中、在リトアニア日本副総領事として、ナチスの迫害から逃れたユダヤ難民らに対し、政府の訓令に反して日本行きのビザを発給した。その行為はのちに「命のビザ」と呼ばれ、イスラエルから勲章を受けた外務官僚である。

 

 

第二次世界大戦

日本はナチスドイツと同盟国、ユダヤ人迫害にも加担していた側。

 

杉原から日本本省へ打電

ユダヤ難民のビザ発給のために日本の本省に打電した。

 

本省から杉原に出した訓令 (松岡洋右外相発の電報)1940年8月16日

〈避難民ト看做サレ得ヘキ者ニ対シテハ行先国ノ入国手続ヲ完了シ居リ且旅費及本邦滞在費等ノ相当ノ携帯金ヲ有スルニアラサレハ通過査証ヲ与ヘサル様御取計アリタシ〉

訳:「他の入国ビザ手続き」、「滞在費等の相当の金を持っている」という極めて厳しい条件を突きつけて、ビザを「与えないよう取計らいしなさい」と明確に述べている。

 

訓令を受けた杉原の苦悩(『決断・命のビザ』所収「杉原手記」)

〈私は考え込んだ。仮に、本件当事者が私でなく、他の誰かであったならば、百人が百人拒否の無難な道を選んだに違いない。なぜか?。文官服務規程というような条例があって、その何条かに縛られて、昇進停止とか馘首(かくしゅ:首を切り落とすこと。転じて解雇)が恐ろしいからである。〉

 

 杉原は〈この回訓を受けた日、一晩中考えた〉。

〈兎に角、果たして浅慮(せんりょ:思慮が浅い)、無責任、我武者(がむしゃ:見境がなく乱暴なこと)らの職業軍人集団の、対ナチ強調に迎合することによって、

全世界に隠然(いんぜん:表立ってないが、どことなく重みや力のある様子)たる勢力を有するユダヤ民族から、永遠の恨みを買ってまで、旅行書類の不備とか公安上の支障云々を口実に、ビーザを拒否してもかまわないとでもいうのか?

それが果たして国益に叶うことだというのか?。

苦慮の挙げ句、私はついに人道主義、博愛精神第一という結論を得ました。

そして妻の同意を得て、職に忠実にこれを実行したのです。〉

 

戦後の1947年 退職勧告

杉原千畝 晩年手記(渡辺勝正・著、杉原幸子・監修『決断・命のビザ』所収「千畝手記」/大正出版)

ビザ発給について〈本省訓令の無視であり、従って終戦後の引揚げ、帰国と同時に、このかど(≒この事)により四七才で依願(自己都合)免官となった〉

 

妻・杉原幸子夫人の著書『六千人の命のビザ』(大正出版)

当時の外務事務次官から「君のポストはもうないのです」「例の件によって責任を問われている。省としてもかばい切れない」として退職を勧告された。

 

政府

人員整理の一環であって訓令違反に対する処分ではない。

 

日本会議 

①2009年「ホロコーストからユダヤ人を救った日本」シンポジウム

日本会議国際広報委員長(当時) 筑波大学名誉教授 竹本忠雄氏

産経新聞00年9月14日朝刊)

「~杉原千畝領事代理が数千人のユダヤ人の命を救ったことが注目されているが、これは基本的には日本政府と軍部が打ち出した方針に基づいたもの」

 

②「日本の息吹」(日本会議 機関紙99年9月号)

杉原千畝は反政府の英雄にあらず インタビュー記事

日本イスラエル商工会議所 会頭 藤原宣夫

杉原は日本政府の訓戒に従ってビザを出した

ユダヤ人を平等に扱うのは「八紘一宇」の精神から当然。

※はっこういちう(コトバンクより)

「世界を一つの家にする」を意味するスローガン。

第2次世界大戦中に日本の中国,東南アジアへの侵略を正当化するためのスローガンとして用いられた。

八紘一宇(はっこういちう)とは - コトバンク

 

日本会議と同様主張

「歴史教科書をつくる会」、産経新聞社 正論」

 

安倍晋三 2018年1月

バルト3国、東欧歴訪。14日、リトアニア杉原千畝記念館にて

「日本から遠く離れたこの地で、杉原千畝さんは大変な困難な状況の中、強い信念、意志を持って日本の外交官として、多くのユダヤ人の命を救いました」

(俺:日本の外交官としては本省から了解を得ていない。出来なかったこと。ナチスと同盟国、本省からの訓令を破ってビザを発給。杉原千畝氏個人の人道・博愛精神をたたえるべき事柄なのに…)


「杉原さんの勇気ある人道的行動(ナチスドイツと同盟国日本の領事代理なのに、人道的博愛精神からユダヤ人らを救った)は高く評価されています。同じ日本人として、本当に誇りに思います」

俺:何言ってんだ?「八紘一宇の精神だから当たり前」「帝国主義賛美」って感覚でいっているのか?

 

リテラ

つまり日本会議安倍晋三らの主張は

杉原千畝は日本の“八紘一宇”に沿ってビザを発給したのであって、日本政府が反対したなんていうのは嘘」

「ビザ発給を個人の人道的行いではなく大日本帝国の思想的成果”

 

「“杉原のビザ発給は八紘一宇の方針だった”なる帝国主義を賛美する歴史修正主義」と地続きなのである。

 

安倍首相(日本会議)らは「ナチのホロコーストからユダヤ難民を救った杉原の決断(日本の“八紘一宇”に沿ってビザを発給、歴朱修正主義として)」は褒め称えるが、

南京事件」や「慰安婦問題」などの日本軍の戦争犯罪については否定的な歴史修正主義者(リビジョニスト)だ。

 

「日本の誇り」に都合のよいところだけを引っ張り出す安倍政権(・日本会議)の“戦前礼賛宣伝”にゆめゆめ騙されてはならない。